【整備記録】カブ90 強化クラッチ さらに強化
改造したのにアップし忘れていました。107ccにボアアップして4速化していますが,パワーアップすると関係するのがそれを受け止めるクラッチの強化です。すでに強化プレートとスプリングを付けていましたが,極太トルクにはやはりあまり強くないようで,数百キロ走ると滑りはじめてきました。
今回は,Amazonで売っている強化クラッチセットを試しつつ,それをさらにプチ強化してみたいと思います。
クラッチ交換
以前取り付けたマグネットドレンボルトはいい仕事していました。これだけの鉄粉がエンジンを回っていることを考えたら,取付て良かったです。きれいに拭き取っておきます。
オイルをしっかりと抜いたらクラッチカバーを外します。頻繁にオイル交換しているだけあって中はとても綺麗な状態を保ててるようです。クリッピングポイントの強化クラッチプレートも滑りによる劣化などは見られないですね。圧着力が足りないんでしょうかね。
社外強化クラッチ
こちらが今回購入した中華製の社外強化クラッチです。12vタイプの横型エンジン,ロータリーミッションのクラッチならほぼ使用可能のようです。商品タイトルに一通りの記載がありました。ノーマルのクラッチと内部構造が一部違うようです。海外製品は,とりあえず組み立てましたという感じなので,取り付ける前に一度分解して確認清掃する必要があります。間違ってもポン付したりしないようにしましょう。最悪クラッチ以外の部品の破損につながります。
社外強化クラッチ分解清掃
分解は,このような万力を使うと簡単に取り外すことができます。組付け時も同じように挟んで縮めて作業します。クラッチペダルを足で踏んでクラッチを切った状態にしている感じですね。
取り付けられているプレートの形状が純正のものと違うようですね。上部のプレートにも凸部分があります。
取り外したら出てきましたよ,毎度おなじみ切り粉が。切削して洗浄せずにそのまま組み立ててあるのが中華製なんですよね。これに気づかずにポン付けすると他の部品を傷めたり,オイルラインを詰まらせたりするですよね。おまけにアルミの切り粉だからマグネットドレンボルトにもくっつかないというね。
他には角にバリが付いてたりしてないかも一緒にチェックしておきます。
社外強化クラッチ取付
チェックと清掃が終わったら取り付けます。変なガタつきなどが無いか,純正のクラッチと取付具合に違いがないか確認しながら焦らず取り付けます。ロックワッシャを取付ナットを指定トルクで締め付け切り欠きに爪を折り込めばほぼ終わり。
ちなみにカブ90のクラッチと社外クラッチ,ニコイチにできないかなどを試してみましたが,ダメでした。それと内部のクラッチスプリングは,クリッピングポイントの強化スプリングと硬さ等はあまり変わらないように感じました。
この強化クラッチを購入した一番の理由とも言えるのが,実はこっちだったりします。クラッチを抑えるプレートの部分が,ベアリング構造になってるんです。この仕組み,タイカブなどに多いのですが,カバーを取り付ける際に,ノーマルだとポロッと部品が落ちたりして組み付けづらいですよね。それが無いんです。何か理由があるんでしょうけど,国産も最初からこの仕様になってたらとても整備が楽だろうなと。(特に組み付ける時)
試走
新しい強化クラッチを取付てしばらく走ってました。2週間ほど,最初は良かったんですが,やはり滑りはじめてきました。強化スプリングが元々のやつと大して変わらなかったように感じたのは当たっていたようです。
あと気になるのが,元々ついているクラッチプレート,質のいいものが付いてなかったりするんですよね。それも気になっていたので,再度分解しプレートを純正品に,スプリングはさらに強化してみることにしました。
クラッチさらに強化
部品は一部粗悪品でした
クラッチを取り外すために,分解していくとクラッチロックワッシャーがユルユルになっていました。内部の切掛けに引っかかる部分が曲がってしまい緩み止めがなくなっていました。画像の右側が商品についていたもので,左が純正品です。幸いナットが緩んでいたわけではありませんが,材質が悪いんでしょうね。純正品を用意しておくべきでしたね。
分解していくと,プレートの欠片が数か所出てきました。それら以外は問題無さそうです。同じ商品を使おうと思っておられる方がおられたら,ロックナットプレートとクラッチプレートは純正品を使ったほうが良さそうです。ちなみにクラッチプレートは,純正品番のもので大丈夫です。
計測
今回強化したい部分は,クラッチスプリングを取り付ける部分にシムリングを1枚挟むというものです。シムの厚みは1mmです。1mm以上だとクラッチが切れなくなります。組付けの際にスプリングを縮めますが,さらに1mm縮めた状態にすることによって,さらに強化させるというものです。バネレートが上がるわけではないので気持ちの問題だろって思うかもしれませんが,これでちゃんと強化されるんですね。実はシャリーのときにもやっていたので,それを思い出して追加作業することになりました。
内径10mm×外径15mm×厚み1mmの鉄製のシムリングを購入しました。
シムリング取付
シムリングを取り付けるとこのような感じになります。外径15mmがぴったりです。たった厚み1mmですがこれがいい仕事をしてくれるのです。
クラッチプレート
クラッチプレートも新品で揃え直しました。
破損したりしなければそのまま使ってもいいのですが。質の良い海外性もありますからね。ロックナットワッシャーも新品に交換します。
サイドカバー塗装
クラッチカバーを外したついでに,左右ともチッピングスプレーで黒に塗装しました。ちょうどサビなどで汚くもなっていたのでちょうどよかったです。黒エンジンは引き締まりますな。冷却効率は落ちるでしょうけど,塗装してよかったです。
まとめ
強化クラッチをさらにプチ強化したクラッチですが,効果はバッチリです。まったくの滑りも見られなくなりました。交換してからさらにまた数十キロ走ったのですが,全然滑らなくなりました。1mmのシムリング追加だけでここまで変わるんですね。試してませんが,ノーマルクラッチにシムリング追加だけでも多少の効果はあるのかもしれません。ノーマルカブ90に乗ってて,クラッチのオーバーホールが必要な方はシムリングも追加してみられてはいかがでしょうか。
中華製強化クラッチも,内部の清掃とクラッチプレートは付属品を使わないのであればシムリング追加だけでもかなり安く強化できるんではないかなと思います。
1mm変えて滑らない以外の変化というと,クラッチがすでに1mm分縮めてあるので,切るときの感覚が少しだけ変わります。言葉では表現しにくい部分ですが,切れ幅が何もしないより狭くなってる感じがあるくらいです。踏み込み代がちょっと変わったかなってくらいでしょうか。
ぜひ試してみてください。もちろん自己責任にて(笑)
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