【整備記録】CB125T 不動車復活 キャブレター調整
友人から,125ccのバイクがあるから譲ってあげるという話がありまして,見に行ったら初めて見るバイクでした。ホンダの並列2気筒125ccです。兄弟分にCD125Tというのがあります。名前が似てますが2気筒以外は全然違うバイクですね。CB125Tのエンジンは180°クランクで,レッドゾーンは12,000rpmからという超高回転型,ミッションは5速リターンです。かくしてCD125Tは360°クランクでロータリー5速ミッションなのでトルク重視のエンジンですね。
新車で買ったもののしばらくして乗らなくなって数年,カバーをかけたまま放置されてたようです。錆はそれなりにあるものの状態のいい車両でした。住んでいたところに置き場がなかったため乗っていたジョルカブを手放してこちらに乗り換えることにしました。
不動車復活
キャブ清掃
最初はこのバイクのキャブの取り外しは大変でした。最初の情報では知恵の輪みたいに入っているという話でしたが,まさにそんな感じサイドカバーを外して,バッテリーとバッテリーボックス兼エアクリボックスを外さないとキャブが取り外せないという,整備のしづらさはホンダのお家芸といった作りです。それでも回数をこなしてたらだいぶ慣れましたけどね。(写真は使いまわしのものです)
予想はしてましたが,この光景と腐ったガソリンの匂いは嫌ですね。外せる部品はすべて外してキャブクリーナーに取り付けておきます。
エアスクリューはホンダ車ではよく見かけるD型でしたので,マイナスドライバーでも回せるように溝をヤスリで掘っておきました。位置が分かるようにマーキングと,締め込みの回転数も記録しておきます。このときはまだ専用の道具を持ってなかったんですが,エアスクリューって車体にキャブを取り付けたまま調整することもあるので,このように加工しておくと後々便利だったりします。
キャブ清掃の際はパッキン類も新品に交換しました。が,なぜかキャブ清掃ではバイクが復活しませんでした。エンジンは問題なくかかるのですが,なぜか吹け上がらない。給排気系はノーマルでエアクリも綺麗。プラグも新品交換,プラグコードも新品交換したのになぜか吹け上がらない。かなり悩みましたね。その後もフロートバルブを交換したり,スロージェットも新品交換したり,当時1個6,000円もするバキュームピストンも交換したりしましたが吹け上がらない。仕事が終わってからとか週末休みのときにやってたから1ヶ月位は悩みました。キャブだけに2万円くらい使ったんじゃなかろうか。
5,000rpmまでは回るんです。でも高回転型エンジンなので,パワーバンドは6,000からだったから乗りにくくてたまらない。
原因判明
給排気系がドノーマル車って固定観念が災いしていました。プラグをチェックしたら真っ白けでしたので,試しにと,吸気パイプを塞いでみたらこれが大当たり,上まで綺麗に吹け上がるようになりました。譲ってもらった際にサービスマニュアルもセットで付いてきていたので,ノーマル車なのでMJは95番しかないと思いこんでいました。でも,今考えてもなぜああいう現象が起きてたかはわからないです。なんらかの原因で,吸気抵抗が下がって吸気量が増えたかなにかってことでしょう。
原因がわかればキャブセッティングするだけです。#95→#112に変更したらバッチリ11,000rpmまで回るようになりました。
このバイクのいいところは,マイナー車ですが未だに部品が新品で手に入るんですよね。というのも中国ではまだ新車で売られてるようです。なので,中華製にはなりますがある程度重要な部品も新品で手に入れられます。当時はヤフオクで見つける程度でしたが,今ではAmazonでも手に入り,その種類も増えていましたし,安くで売られています。精度は分かりませんがね。
ネジ交換
キャブを閉じる際には,付け外しをする部分のネジを汎用のネジに新品交換しておきました。この作業もオススメです。純正品でもいいですが,長さを測っておけばホームセンター等でも似たようなネジが手に入りますからね。固着し易い部分ですし,古いと錆びてネジ山を舐めてしまうことも多々ありますから,気付いたときに新品交換しておくと今後の作業のしやすさにも影響していきます。
エアクリ加工
CB125Tにはエアクリが左右に1つずつ付いています。当時は部品検索しても出てこなかったんですよね。中華製のものも見つからず。なのでノーマルを使って加工することにしました。
ノーマルはパンチングメタルの内部に紙質のフィルターが入った構造なんです。それで,このフィルターをすべて撤去しました。
中に入れたのは汎用のスポンジフィルターです。接着は特にしてません。というのもこのフィルターはパンチングメタル側がエンジン側になるためです。なのでスポンジがキャブに吸い込まれたりすることがないんですね。しかもこの仕様なら,スポンジだけ取り外して洗浄して再装着することができるんです。こういう形状で助かりました。
こちらが,エアクリを装着した左サイドの写真です。左のホースがキャブに向かう部分,右が外気です。
まとめ
このバイクはとても楽しいやつでした。決して速くはありませんが,回して乗るという楽しさを教えてくれたバイクです。高回転までキッチリ回ってくれるし,音もイイ!
あ,その代わり出だしは遅いんですよ。4stなのに2stみたいな乗り方しないとちゃんと走ってくれないバイクでしたね。これまた昔々に乗ってたNS50Fを思い出します。そのバイクについてはまた取り上げたいと思ってます。
CB125Tも結局ノーマルを維持し続けるわけもなく,いくつか改造していきましたので,また別記事にてアップしたいと思います。手放しちゃったけど,また乗りたいバイクの一台ですね。(ボアアップキットも売ってるしな)
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