【整備記録】タイカブ100 クラッチ交換 画像多いです
2022年5月26日その他バイク,バイククラッチ,クラッチ交換,タイカブ100,分解整備,整備
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時々修理で預かってる同僚のタイカブ100,今回はクラッチ板の交換修理です。自分のカブと仕組みが違うので,確認しながらの作業になります。なので今回は写真多めです。将来同じようなバイクを整備することがあったときのために備忘録として。
このカブ,走行距離が7万km超えでして。走るとクラッチの滑りが発生してます。タイヤを設置させた状態でギアを入れてキックするとニュルっと滑る感じも出ていたのでクラッチ板を交換することに。
まずはステップやマフラーを外した後オイルを抜きます。キックレバーやカバーを外すときに干渉するリアブレーキリターンスプリングも片方を外しておきます。
キックレバー部分のオイルシールも要交換ですね。あとは作業をやりやすくするために,車体を斜めに倒しておくといいです。反対側に箱を置いて完全に横倒しにならないようにしておきました。
あとは,通常のカブと同じようにカバーを留めているボルトを外していきます。画像の3カ所が長いボルト(それぞれ長さが微妙に違いますが)で,その他は同じサイズの短いボルトです。カバーの形状が違えどボルトのサイズは国産旧カブと同じようです。
外したらゴムハンマーなどで外す方向へ軽く叩いていくと通常なら外れてくれるはずなんだけど,何かが引っかかって外れませんでした。もしかしてと思ってクラッチ調整部分を外したらカバーが取れました。本来はここはカバーと一緒に外れるんですけどねぇ。
仕組み外観
この構造は,現行のカブと同じですね~。クラッチが2段階になってる。形状は若干違うが基本的に同じ。この仕組みは変速ショックが少ないんですよね。オイル管理もしっかりされてますね。距離にしては綺麗です。カバーを外すときに取れなかったクラッチの抑えの部品も旧カブみたく部品が外れやすいものではないのでいいですね。ちなみにこの部分カバーを外すときに斜めって引っかかってたみたいでこの後簡単に外れてくれました。
カバー裏を見てもオイル管理が良かったのが分かります。現行カブと見比べてみましたが,仕組みは同じで部品形状も似てますね。遠心クラッチの部分はほぼ同じのような感じがします。このカブの部品は廃盤になってるものも出てきているので,消耗品などは現行カブの部品が流用できたら嬉しいのですが。
こちらが現行カブのクラッチ周り。遠心クラッチとかはほぼ同じと思われる。
クラッチ分解
遠心クラッチ部分を分解します。ロックナットが手持ちの工具では深さが足りずに使えないという。(;’∀’) 以前持っていたことがありましたが,中華製の安いものだったため爪が折れて捨てたんだった。仕方ないので,貫通マイナスドライバーとハンマーで外すことにします。(良い子は工具を買っておきましょう)
遠心クラッチは外れたが,アウター部分は奥のギヤが隣のクラッチに引っかかってるので単体で抜くことはできないようです。
隣のクラッチのセンターナットを外す必要がありますが,中心のベアリングがこれまた外れないので先にクラッチリフタープレートを留めるボルトを外します。そうするとロックナットが出てきますのでこれを外します。ここのナットは遠心クラッチのものとはサイズが小さいものになります。
画像が前後しますが,クラッチアウター下部に付いているオイルセパレータープレートを固定するボルトも先に外しておきます。
全部のボルトやナットが外れると,左右まとめて引き抜くことができます。この後は,クランクケースに残ったガスケット剥がしがあるので,ゴミが中に入らないように養生しながら作業します。
部品観察
こちらは遠心クラッチ本体です。クランクシャフトと直接つながっています。スクーターに付いているものと似たような形状してますね。スプリングを変えたらクラッチミートタイミングを変えれそうです。
こちらは遠心クラッチ側のアウターです。真ん中がワンウェイクラッチになっています。なのでアクセルオフでクラッチが広がっていなくて,動力がカットされていてもエンジンブレーキがかけれるようになってます。
アウターの後ろ部分に,2次クラッチとつながるギアが付いています。ギアが2段になってるのはなぜなんでしょうね。画像ではほんの少しだけズレています。なので薄い方は少し動かせるようになっています。グルグルとは回りません。
クランクケースは旧カブのものと同じ形状のようです。オイルフィルターも同じ場所に付いているので洗浄して元に戻しておきます。
クラッチ板交換
交換予定のクラッチプレートを交換します。仕組みは2次クラッチの仕組みを採用しているものと同じですね。4枚タイプです。プレートだけならホンダの他のバイクと流用できそうな気がするが。
厚みを測ってみたが,約3mm,ちなみに新品も3mmだったので摩耗しているわけではない様子。でも滑っているので全体的な厚みは減っているのかもしれない。
こちらが新品のプレートになります。
フリクションディスク:22201-KBW-900
クラッチプレート:22311-107-000
プレートはCD90と品番が同じでした。
クラッチスプリング
残念ながらクラッチスプリングは部品が出ませんでした。廃盤になっているのかもしれません。でもクラッチ形状からして他のバイクのものが流用できるかもしれませんが,情報が無かったので今回は再利用します。
念のため各部サイズを測っておきました。
クラッチ組立て
クラッチ板を組むときはオイルを塗りながら組み立てていきます。
最初外すときはこうなって欲しかったわけです。ベアリングは傷みなどは無かったのでこちらも再利用します。
組み上げ
外した時と逆の要領で組み立てていきますが,一部注意ポイントです。2次クラッチアウターを組むとき最初は飛び出すネジ山がこんな感じになってますが,これはまだちゃんとハマっていません。
遠心クラッチアウター端部のギアが一部ズレてハマっています。薄い方が動くので,これをギアが正常にハマる方向に動かすと・・・
このようにカチっと綺麗に揃います。そうすると2次クラッチアウターが元の位置に入ります。これが正解です。
綺麗にハマると,ネジ山が全部見えるようになります。気づかずにそのまま組むとエンジン回った時に位置が変わってしまい固定したナットが緩み破損の原因になりますので要注意です。なんでこういう仕組みになってるんでしょうかねぇ。理由があるのかもしれないけど分からない。
ロックナットを締める時は周り止めが必要になります。ココで役立ったのが,他のカブをバラしたときに要らなくなった部品,クラッチの後ろ側に付いていたプライマリードライブギアーです。イイ感じに噛み合ってくれて回り留めの役をしてくれました。
遠心クラッチ側も組み立てていきます。この形状のガスケットはココに使われるんですね。ガスケットセットを買うと余る,使わないものが今回初めて役立ちました。
外すときに取れなかったクラッチリフターとリテーナーが一体化した部品をカバーに取り付けます。新品のガスケットを取り付けて組立て,オイルを入れたら作業完了です。
ちなみにガスケットは旧国産カブのものと同じです。初めてタイカブのクラッチ交換をしましたが,勉強になりました。次にやる時はスムーズにできるでしょう。
約7万5000kmくらいで交換だったのでさらに7万kmくらいは走るでしょうね。
試運転しましたが,滑りは無くなり快適に走るようになりました。
おまけ
本来交換予定ではありませんでしたが,オイル漏れしていたので,キックスタータースピンドル部分のオイルシールも交換しておきました。国産カブと同じサイズです。
クラッチのロックナットはこの2種類が使われています。一般的に売られている工具でも1つで2種類のナットが回せるようになっているので,それらの工具の質の良いものを使うといいです。
安物は爪が折れやすいです。
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