【整備記録】シャリー 4速化 カブミッション使用
角目シャリーは3速ミッションになっています。ずっと乗っているともう1速欲しいという状況が多々あります。黃ナンバー化してて30km制限が無いとなおさらそう感じます。60km出すと常に高回転,エンジンにもあまり良くないし,精神的にも疲れます。今回はシャリーを4速化したときの記録です。
カブ4速ミッション
今回4速化するのに利用したのは,スーパーカブの4速ミッションです。といっても,このミッション同じホンダ横型エンジンですが,シャリーにはポン付できないんですよね。年式によって各車のエンジンには色々違いがあるように,ミッションにも違いがあるんです。
付かない理由は,ミッションを受けるベアリングの違いです。写真のように角目シャリーは軸受の一部がニードルベアリングですが,カブは全部がボールベアリングなんです。なのでクランクケースを購入したカブミッションに対応するものに交換しないといけません。写真の上のベアリングがニードルベアリング,下がボールベアリングです。
エンジン分解
エンジンを車体からサクッとおろして,分解していきます。寸法はテキトーにエンジン台を作って作業効率をよくしてみました。
この当時はまだクラッチをマニュアル化してたんえすよね。懐かしいです。マニュアルクラッチなのにロータリーミッション,なかなか乗りにくかった記憶があります(笑)
ノーマルミッションとご対面,オイル管理はまぁまぁといったところですね。ここで驚きのものを発見しました。
エンジン内部にあるはずのないものが落ちてました。おそらくスポークホイールのスポークの先に付くネジです。シャリーはスポークホイールではないし,入るとしても意図的にオイルフィラー部分から入れない限りは入らないものです。中で暴れたりしなくてよかった。私が所有する前に誰かがいたずらで入れたりしたんだろうか。恐ろしいです。
全バラしましたが,使うのはクランクシャフトと腰上部分と,その他購入したカブのクランクケースに移植させる細かいパーツだけです。ケースとミッションは使いません。
4速ミッション組立
カブクランクケース
購入したクランクケースはあまりオイル交換されてないものだったようです。ヘドロがすごいし,メッシュフィルターは繊維くずで詰まってるし。もちろん綺麗に洗浄してから組み立てます。
ベアリング交換
ミッションを受けるベアリングは新品に交換します。回転が滑らかでも念のために交換します。買っても安いですからね。当時はまだプーラーを持っていなかったので,ベアリングの周りをバーナーで軽く温めてからあオールアンカーで抜き出すという方法で取り出してました。自作工具はあまりオススメはしませんけどね。
ベアリングは一般的な規格品が使われているので,6001番を2つ,6003番を2つ買えばOKです。年式によっては使われてるものが違う場合があるので,調べてから買いましょう。ものによっては大きめのホームセンターとかで手に入ったりします。
交換完了です。打ち替え後はオイルを射しておきましょう。
その他部品取付
強化オイルポンプも前のものから移動しておきます。何も加工したりせずともポンで移動できます。
シフトドラムに付いているニュートラルセンサーはクランクケース側にはニュートラルスイッチしか付いていないので,4速用→3速用に入れ替えておきます。クランクケース側に4速スイッチがついている場合は,そのまま4速のものが使えます。
部品が足りない…
ミッションを組み立てていって写真の部分,パーツリストを見ると本来ここにはストッパーが付くのだが。(走行中に4速→Nに入らないようにするためのもの)購入したミッションには付いてない。
3速ミッションの部品をあてがってみるものの,下のスプリングの形状と若干違うようで取り付けられないのと,内側に遊びができるので取り付けられない。何かここには挟まないとケース内で横の遊びもできてしまうため組み立てられない。
スプリングごと3速ミッションから移植したらなんとかなりました。プレートの形状が違うが,動作確認してみても問題なく動いてるので大丈夫と思われます。ちなみに,スプリングとプレートを外して,真ん中のワッシャだけを入れておけば,走行中でも4速→Nに入るミッションが出来上がります。(古いタイプのプレスカブがそんな仕様になってましたね)個人的にはあまりそれは好きではないのでちゃんと組み立てておきました。
部品違い
どんどん組み立てていきますが,シフトアームも3速と4速では爪の内側の幅が違うため4速用に変更しておきます。4速のものが狭くなってます。これを交換しないとギアが変わらなくなります。
完成まであと少しってところで部品の違いが発覚です。シフトドラムストッパーがシャリーとカブでは部品が違うようです。無理やり付けると写真のようにズレが生じてしまいます。
写真のように,カブとシャリーでは取り付け部分の段差が全然違うことが発覚。ベアリングだけじゃなくてこういうところにも違いがあったとは,ひとつ勉強になりました。すぐ部品を注文しました。
シフトドラムストッパー
部品が届き取り付け,動作確認もしてバッチリです。
最後の部品取り付け
クラッチのベアリングもこの際交換しておきます。ベアリング6000番です。腰上も組み立ててもうすぐ完成です。
チェーンテンショナープッシュロッドの先端に付くゴムも新品に交換しておきました。ここはずっと同じ位置で当たるので定期的な交換が必要な部分です。忘れられがちなんですけどね。
完成
色々トラブルもありましたが,完成です。4速になったのでとても走りやすくなりました。スピードを出すのにエンジンの回転に余裕が生まれたので,あまり気にしてないものの燃費も良くなってくれるかと(シャリーは燃料タンクが超小さいので)メーターも余裕で振り切るようになりました。
街なかを50ccのままで30km制限でトコトコ走る分には3速でいいけど,ボアアップしたりするようになると全然物足りなくなってしまいます。この当時のホンダ横型エンジンは4速あるとやっぱりいいです。
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