【整備記録】カブ90 シリンダーヘッド オーバーホール
2021年9月19日スーパーカブ90,バイクエンジン,オーバーホール,カブ90,シリンダーヘッド,スーパーカブ,ボアアップ,分解
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前回はエンジンをクランクケースまで分解しました。今回はシリンダーヘッドを分解清掃します。専用工具があればスムーズにできる作業です。一般的にボアアップする場合はシリンダーとピストンの交換だけで済み,シリンダーヘッドは触らずとも作業できますが,汚れやすい部分なのでエンジンをバラした際はついでに清掃しておくことをお勧めします。
エンジン分解時のヘッドはイイ感じにカーボンがこってり溜まった燃焼室になっていました。吸排気バルブを専用ツール(バルブスプリングコンプレッサー)を使って分解します。バルブとスプリングを留めている「コッター」を外すために必要になります。数か月前にタイカブ100の整備をした際に友人から借りたままでしたので今回も使います。外すのは専用ツール無くてもできますが,取付の際は必要になります。他に,マグネットツールやピンセットがあると作業しやすいです。
吸排気バルブ清掃
バルブは吸排気共にカーボンこってりです。これではスムーズな流れは期待できないです。電気ドライバーのチャックに挟んで回転させながら削り落としていきます。スコッチも使いながら両面とも綺麗に清掃します。
バルブ擦り合わせ
磨いた後は,バルブコンパウンドを使ってバルブの当たり面を磨いていきます。必ず中目と細目は用意しておきましょう。ここは職人技が必要とされる部分ですが,そこまでの腕が無くてもなんとかなります。磨いた後は光明丹を使って綺麗な当たりがあるかどうかを調べたりするものですが,そこまでの精度は特に求めてないので,目視で綺麗になっていたら完了ということにしました。バルブ擦り合わせにはバルブラッパー(通称タコ棒)という道具を使います。
バルブシール交換
バルブを外したらバルブシールも交換します。シリンダーヘッド内のオイルが吸排気ポートに入り込まないようにするためのオイルシールです。ゴムでできているので過酷な高熱環境で劣化するためです。ガスケットセットの中に含まれているものを今回は使用しました。引っ張って取って新しいのを指ではめ込むだけです。
バルブクリアランス調整
バルブを組み上げたら,一度カムも装着しバルブクリアランスを調整します。シクネスゲージを使い,吸気側を0.05mmに排気側を0.08mmに調整しました。これはエンジンを組み上げてアイドリングをした後に再度チェックする必要があります。熱膨張などでズレたりすることがあるためです。あとは,古いガスケットをきれいにスクレーパーで剥がし,オイルストーンを使ってガスケット取付面をきれいにしたら完了です。
次はクランクケースの加工と,シリンダーの加工を取り上げたいと思います。
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